かずしの意思
ゲームの話をします。
暇で暇で死にそうな方だけ読んでいただけたら幸いです。
二ノ国 漆黒の魔導士というゲームをご存知ですか?
そしてアニメーション制作はあのスタジオジブリ。
とても豪華!!
DSとプレステ3でタイトルは少し違うものの、ストーリーはほぼ同じ内容で発売されています。
発売当時、プレステ3の方を買いプレイしていたのですが、この時の私はもう心の荒みきった汚い大人で主人公の少年の汚れを知らない真っ直ぐな正義感が鼻につき「わしはこんな純粋じゃない…ちょっとウザい…」なんて悪態をつきながらも、せっかくお金を出して買ったのだから最後までやろう…面白くなくても絶対最後までやってやる!
と、ムキになりバイキングで沢山食べて必ず元を取ってやる!!みたいなセコい精神でプレイしていた記憶があります。
ゲームを進めるとこれがなかなか面白く、今まで歯が立たなかった強い敵をなぎ倒す主人公の少年の成長を自分の成長のように錯覚し「10年早いんだよっっ!」なんてイキがったりもしつつ、気がつくとあっという間に最後まで楽しくプレイしていました。
…そんな事があったのをつい最近まで忘れていました。
思い出したきっかけは最近近所の中古ショップでニノ国のDS版が500円で投げ売りされているのを見つけ「…なんでこんなに面白いゲームを500円で投げ売りするのか…可哀想に……家に来るか…?」と野良猫を見つけた時のような感覚になったので購入して帰りました。
ソフトとは別にプレステ3版の方にはなかったなにやら立派な分厚い本も付いている。
よし!やるぞ〜〜〜!!!
DSソフトの仕組みは据え置き機とは違い、ソフト自体にセーブできる記憶媒体があるので中古品は必ず前の持ち主のプレイデータが入っている。
私はこの前の持ち主のデータを見るのがとても好きなので一目散に「つづきから」を選択します。
なるほど、前の持ち主は「かずし」か…プレイ時間4時間とは余りに少なすぎるぞかずし…物語の序盤だぞかずし…。
前の持ち主の情報をひとしきり確認して気が済んだので早速「はじめから」を選択し、このソフトはもう私のものだぞ!と、かずしのデータに上書きをする。
この物語は主人公の少年が魔法使いになる契約から始まる。
そこでプレステ3にはなかったこの本が大切な鍵となる。
この本の内容は魔法を使う時に重要な魔法陣が
描かれている。
このように魔法を使う時には、この本を見ながらDSのタッチペンで魔法陣を書かなくてはならない。
この本をなくしてしまったらゲームを進めることが出来なくなってしまう大切な本だ。
プレステ3の時にはなかったゲームと本の連動はなかなか面白い。
そんな大切な本の1ページ目には契約書がある。
ゲームの中でその契約書をよく読んでサインをするように促された。
必ず右から靴を履かなくてはならない……
守れないかもしれない…。
そんな事を考えながらサインを本に書こうとすると…
出た
かずし!!!!!
ちゃんと契約書にサインするも、4時間そこいらでプレイをやめてしまったかずし!!!!
そして本をめくると
ニノ国の言葉で書かれた文章が全て訳されて書いてあるではないか!!
(この文字を訳すのにはけっこうな時間が掛かります。)
……こんな労力をかけて訳したのに4時間そこいらで根をあげるかずし!
なにがあったんだかずし!!!!
そしてゲームの中では「きみの名前を教えてね!」と私の名前を入力するよう促される。
これはもう「かずし」と名乗るしかないだろう。
かずしが契約書にサインし、頑張ってニノ国の言葉を訳して本に書くも、4時間そこいらで根をあげて売ってしまったかずしの意思を引き継ぐしかないだろう。
そして私は「かずし」として新たなる冒険へ出かけるのであった…。
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よろしくお願いします。