しかばね先生の日常ブログ

しかばね先生(死かばね先生)の日常マンガブログ 連絡先→ shikabanec@gmail.com

批判を受けて感じたこと。

ブログを書くのは久方ぶりです。

皆様のおかげで、仕事をしたり漫画を描いたり、とても忙しい日々を過ごしております。

 

ブログではお伝えしていませんでしたが、ヤングエースUPさんで連載が始まっております。

 

web-ace.jp

 

 

 読んでくださっている皆様、 応援ボタンなどを押してくださっている皆様、本当にありがとうございます。

 

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「ヤング」でも「エース」でもない私が、ヤングエースUPさんで連載させていただけるとは、恐れ多くていつも緊張して「本当にこの漫画を載せていただいていいのだろうか…。」と不安だらけの毎日です。

 

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いつも悩みながら漫画を描いています。

 

 

 

そしてやはり、昔を思い出し涙が出てきます。

 

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今回公開された第3話は、描くのが最も苦しい回でした。

 

noteで連載していた「緩やかな始まりの終わり」という漫画の再構成です。

 

ラスト付近の「見て見ぬふりをしていた自分」を描くのが大変苦しく、途中で投げ出していた漫画でした。

 

やっと描き上げることができました。

描き上げることができたのは、応援してくださっている皆様のおかげだと思っております、ありがとうございます。

 

そしてこの「緩やかな始まりの終わり」をはてなブログへ「大切な人を亡くした時、どうやって立ち直ればよいのだろうか」というタイトルで再投稿した際、ブックマークコメントにて沢山の方々にブッ叩かれました。

 

変な言い方になってしまいますが

 

「やっと…やっと…批判をされた、やっと「オマエが悪い」「オマエがおかしい」と言ってくれた…」

 

そう思う自分がいました。

 

この第3話の最後に描いてある通り、私の周りの人たちは優しいのです。

 

みんな私を気遣って、誰も私を責めてはくれなかったのです。

 

 

人の死を「なんだそれウケる~」と軽く扱っていた自分。

おばあちゃんの話をろくに聞かず、無視して部屋にこもっていた自分。

おばあちゃんの異変に気が付いていたのに、見て見ぬふりをしていた自分。

 

 

全て、叩かれて当然です。

 

「批判」や「ぶっ叩かれた」と描きましたが、正論です。

 

顔の見えない知らない相手だと容赦なく物事を言える。

これこそ正に正論だと思い、私は勝手に裁かれた気になっていました。

 

ずっと誰かに昔のクソ人間だった自分を批判してほしいと思っていました。

 

 「緩やかな始まりの終わり」にブックマークコメントで正論を言ってくださった方々、本当にありがとうございます、全て読ませていただいてます。

 

気が付けば「緩やかな始まりの終わり」の投稿から、3年もの月日が流れていたのですね。

 

時の流れの早さに驚いています。

 

これからも間違っていることは容赦なく言ってください。

どうか、よろしくお願いします。

 

 

 

すっかり昼間は半袖でも過ごせる季節になりました。

半袖で過ごせる身軽さに、心も少し軽くなった気がしています。

 

今年は忙しく、あいにくお花見には行けませんでしたが、散歩がてら真夜中に近くの公園の桜を見てきました。

 

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漫画、頑張ります。

 

 

 

~最近の出来事~

デスクワークが続いているので、あまり外へ出ていません。

ずっと家にいるので、目新しいご報告もないのですが、作業中に音楽を聴いています。

 

最近よく聴いているのはSUKISHAさんです。

 

www.youtube.com

 

トラックがとてもかっこよく、歌声が真っ直ぐで好きです。

 

www.youtube.com

 

kiki vivi lilyさんとSUKISHAさんのRainbow Town

 

こちらもとてもかっこいいです。

 

 

田舎に住んでいますが、このRainbow Townを聴くと

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 こんな気持ちになります。

 

単行本「祖母の髪を切った日」発売中です。

よろしくお願いします。

 

 

おしまい

 

写真の大切さ

お盆に突入しますね。

 

 

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こちらはツイッターに載せた漫画です。

沢山の反響をいただきありがとうございます。

 

写真も大切だけど動画も大切だと多くの方にリプライをいただきました。

姿形は覚えていても何年も月日が流れると「声」を忘れてしまうというご感想をいただきました。

 

今はおばあちゃんの声も口癖も全部、覚えています。

 

しかし何年も月日が流れると忘れてしまうのかもしれません。

 

忘れたくないです。

 

私の手元には、おばあちゃんの写真は数枚しかありません。

もっと沢山写真を撮っておけばよかった、一緒に笑ったり泣いたりした何気ない日常を沢山残しておけばよかった。

 

 

お盆休みで帰省される方はご家族との写真や動画を沢山撮ってください。

 

思い出は宝物です。

 

思い出を沢山残しておいてください。

 

 

単行本「祖母の髪を切った日」発売中です。

よろしくお願いします。

 

 

身近な人が亡くなるということ

 

 

 死に対する恐怖心

 

突然ですが「死」が怖いです。

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どれだけお金を持ってようが、貧乏だろうが、いい人も悪い人も、みんな平等に訪れる「死」が怖いです。

 

 それは思春期の頃から始まりました。

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思春期あるあるだと思います。

 

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寝る前に漠然と「死」に対する不安が襲ってきて

 

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夜中に飛び起き、ポエムめいた文章を書いては

 

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次の日の自分をきしょく悪がらせるほど、「死」というものはなんなのか?

死んだらどうなるのか?

人は死ぬと21グラム軽くなり、それは魂の重さだという説があるが、ただ体内の水分が蒸発しただけなのではないのか?

死ぬってなんなんだ!!死ぬのが怖い!!勘弁してくれ!!

 

…という事を考えては結局、答えの出ない迷宮をさまよっていました。

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人の死はフィクションの世界でしかなかった

 

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名前は知っているけど交流がなかった人の死は全く実感のないもので、この時もどこか自分には関係ないフィクションの世界の出来事のような気がしていました。

 

毎日顔を合わす私を育ててくれたごく身近な人が亡くなるまでは、人の死がどれだけ重いものなのか、この時は何も分かっていませんでした。

フィクションの世界の死を見て、分かっているような気持ちになっていただけでした。

 

 

 

身近な人の突然の死

 

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 晩年のおばあちゃんはとても穏やかでした。

 

 

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 認知症になってから怒りっぽくなり、どんどん性格も変わっていきましたが、最後はとても穏やかでした。

 

 

おばあちゃんとの最後の会話は今でも忘れられません。

 

 

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 それから数年後の今

 

 

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これは、つい最近の出来事です。

 

 

 

先輩のこの言葉で気が付きました。

 

 

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そう思えるようになりました。

 

 

 

 

 

もうすぐお盆ですね。

 

 

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残暑厳しいですが、健康に気を付けて乗り切っていきましょう。

 

 

単行本「祖母の髪を切った日」発売中です。

 

よろしくお願いします。

 

 

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金縛りのプロが金縛りについてお話します

今週のお題「ちょっとコワい話」

注意

今日は夏の風物詩、怖い話をします。

 

金縛りの話なので、そこまで怖くないとは思いますが、少し怖い絵が出てくるので閲覧には注意してください。

 

小4の頃の話

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そう言ってス~ッと消えていきました。

 

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というか金縛り自体、眠りが浅く、体は休んでいるが稀に脳だけ覚醒してしまうレム睡眠中に起ることなので「ずっと寝ていた」が正解です。

 

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おばあちゃん、大マジメです。

 

情報がなかった時代、昔の人というものは金縛りは心霊現象の一種だと信じており、おばあちゃんは大マジメに私のことを霊感がある子だと思っていたようです。

 

 

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少し話が逸れますが、なんでも天国、地獄、神様や霊の話を引き合いに出す昔の人ならではの考え方があった為に、おばあちゃんのレビー小体型認知症の発見が遅れてしまうというエピソードがありますが、長くなるのでそれはまたの機会に書こうと思います。

 

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そうなるんです。

応援してくださるってことは悪い霊ではなくご先祖様の仕業になるんです。

おばあちゃんは大マジメです。

 

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もうなんか糞コラみたいですが

 

 

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当時、小学4年生だった私は金縛りのメカニズムを知るわけがなく、おばあちゃんの「ご先祖様が鼓笛隊の練習を応援してくれている説」をバキバキに信じていました。

これで金縛りは心霊現象だという刷り込みは完了です。

 

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隙あらば逃げたい!さぼりたい!と思いながら鼓笛隊の練習をしていたので、心当たりは十分にあります。

 

 

それからというもの

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鼓笛隊の練習頑張ってますアピールに必死でしたが、必死なアピールも空しく、その日を境に頻繁に金縛りに合うようになってしまう悲しい現実が待っていたのです…。

 

 

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金縛り中に見る映像は「体が動かなくて怖い」という感情から、脳が勝手に怖い映像を作り出すそうで、私の脳は真っ黒な髪の毛が怖いものという固定観念がどうやら存在するようです。

 

金縛りに合うと必ず「真っ黒な髪の毛」が出てくるようになりました。

 

 

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こうして漫画にするとあまり怖さが伝わりませんが、小学生の頃はあの黒い髪の毛がとても恐ろしく、金縛りに合うとギュッと目を閉じ

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ひたすら純粋に心の中で、こう思っていました。

 

 

 そしてキレる10代

 

 一番金縛りに合う頻度が高かったのは、10代の終わり頃だったと思います。

多い時は週4くらいのペースで金縛りに合っていました。

 

 

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これだけ金縛りの回数をこなしていると、あの金縛り前特有のゾワゾワする感覚をいち早く察知し「来る!」と分かると即座にキレながら飛び起きるようになっていました。

 

金縛りが来る!と分かった瞬間に無理やり体を起こすと、金縛りはすぐに解けるのです。

 

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この頃は金縛りにとにかくキレていた。

10代まではギリギリ金縛りを心霊現象だと信じていましたが、睡眠を妨害される事が何より不快だったので、相手が幽霊だろうがなんだろうがハチャメチャにキレてやさぐれた青春時代を送っていました。

 

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きっと人生の中で一番尖っていたと思います。

(幽霊相手に)

 

 

 

 そして、とにかくよく寝ていた時期でした。

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今考えるとこの睡眠のとり過ぎが原因で、普段の睡眠の質が落ち、レム睡眠時に脳が覚醒しやすくなって金縛りが頻繁に起こる原因だったのではないか?と推測しています。

 

そして現在30代

最近は金縛りになる回数がめっきり減り、1年に4~5回くらいしか「ナチュラルな金縛り」に合わなくなりました。

 

ナチュラルな金縛り」と書いたのは理由があり、これだけ金縛りに合ってきた私はもう金縛りのプロなので、実は自発的に金縛りを起こす事も可能になってしまっているのです。

 

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金縛りは仰向けに寝ている時にかかりやすいです。

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これだけです。

 

もちろん個人差があるので必ず金縛りに合うという約束はできませんが、私はこれで8割方金縛りに合うことに成功します。

 

 

金縛りになりやすい曲を一応貼っておきます。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

 ルチアーノもリカルドもかっこいいですね、最高ですね。

 

…っていうか誰が好きこのんで自発的に金縛りを起こすヤツがいるのか!と思うでしょうが、私は金縛りのプロなので、気が向いた時に金縛りを自発的に引き起こしています。

 

なぜなら今では金縛りが気持ちいいから!!

 

 

 

長年の研究結果

 

金縛りに合い続けて苦節ウン十年、私はようやく金縛りを「楽しいもの」にコントロールできるようになったのです。

 

 

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空を飛べるようになります!!

 

これは本当です。

この空を飛ぶ金縛りが最高に気持ちいいのです。

 

 

 

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金縛りの時は脳が勝手に見せている偽物の映像なので、部屋の様子を注意深く観察すると、いつもの家具の位置が違ったり、眠る前は必ず閉める扉が開いていたり、おいおい脳、しっかりしてくれよ…と言いたくなるほど雑な部屋の配置になっています。

これを観察するのも面白いです。

 

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そう確信できたら私はベランダから飛び降ります。

 

注:絶対にマネをしないでください!!!

 

こちらは飛び降りる事を推奨していません!!

 

絶対にやめてください。

 

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何度も言いますが、夢だと気が付いても万が一、夢ではないかもしれません!!

危険なのでベランダからの飛び降りはマネしないでください!!!

 

 

 

夢の中で「これは夢だ」と気が付き、夢をコントロールできるようになる明晰夢というものがありますが、私は金縛りからこの明晰夢を体験できるようになりました。

 

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あの夜空を自由に飛べる気持ち良さが大好きです。

 

何度も言いますがマネしないで下さい!!

夢じゃなかった場合取り返しがつきません!!!

 

何年も金縛りに合いまくった結果、できるようになった事なので絶対にマネしないでください。

 

 

 

しかし、金縛りのプロと名乗っておきながら、今でもたまに「怖い」と思ってしまう時があり、失敗する事もあります。

 

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プロを極める道のりは、まだまだ険しそうです。

 

だけどいつの日か金縛りからの明晰夢を確実にコントロールできるようになって、会いたい人にいつでも会いに行けるようになる!!

 

それが今の私の目標です。

 

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待っててね、おばあちゃん。

 

 

単行本「祖母の髪を切った日」発売中です。

よろしくお願いします。

 

 

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父について

はじめに

今日は父の話をします。

その前に、この記事に出てくる「毒親」という言葉についての説明をします。

 

毒親とは?

読んで字のごとく、子どもに対して「毒」になるような「親」のことです。

もっと詳しく知りたい方はウィキペディアをどうぞ

毒親 - Wikipedia

 

 もしかして父は毒親なのか?

 

shikabane.hatenadiary.com

 

この漫画は3日間でガーッと描いた思い出漫画なので、雑すぎてお恥ずかしいですが、父は子どもだった私をおばあちゃんへ預け、当時お付き合いをしていた女性の家に入りびたり、家にほとんど帰ってこない人でした。

 

 b.hatena.ne.jp

 

この記事でも父の事について少し触れています。

 

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女の人の家にばかり行って、家にあまり帰って来なかった父はきっと「毒親」に当てはまってしまうのだろうが、自分の父親を「毒親」だと断言してしまうのはなんだか気が引けます。

 

 一般的な家庭を知らない子どもの頃はこれが普通だと思っていたし、そんな事より田舎育ちの私は、草むらで捕まえたバッタの口から出る醤油のような色の謎の汁やカブトムシを捕まえる事で頭がいっぱいだったので、親が家にいない事について深くは考えていませんでした。

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 そもそも私が子どもの頃に「毒親」という言葉はなかったような気がします。

 

そして「毒親」という言葉を知ったとしても意味は分からなかっただろうし、子どもの頃の私にとって、たまに帰ってきて寸胴鍋いっぱいに美味しいカレーを作ってくれる父はカッコ良く、憧れの存在であり大好きな人でした。

 

思春期 

ところがどっこい、思春期。

 

大人の事情がなんとなく分かるようになってきた年齢に差し掛かると、見事に父の事を嫌うようになっていました。

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本当は父の作るカレーが大好きだった。

 

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そして父は帰ってこなくなった。

 

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思春期とは勝手なもので、あんな事を言っておきながら、全く家に帰って来なくなった父に益々腹を立てていました。

 

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その時のおばあちゃんは

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諦めた顔でこう言った。

 

そして私は

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そう思った。

 

 

 

が、しかし、その数年後…

 

b.hatena.ne.jp

 

私が社会に出て間もなく、おばあちゃんは認知症になり、怒涛の介護生活が始まった。

 

そして私が26歳の時に、おばあちゃんの認知症がどんどん進んで行き、伯母の助けがあったものの、私一人ではとてもじゃないが介護できなくなってしまっていた時に父は家に帰ってきてくれるようになった。

 

まず父と久しぶりに会って驚いた事は、変なパンチパーマをやめていた事だった。

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before

 

 

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after

 

当たり前だけど老いていた。

 子どもの頃に見ていた大きな背中も、随分と小さくなったように感じた。

 

それから昔は田舎のヤンキーが好みそうなミチコ・ロンドンやミキハウスのパチモンみたいなロゴがバーンと目立つ派手な服を着ていた記憶があるが、ロゴが控え目なダンロップの服を着るようになっていた。

 

そして父は今までとは別人のように、献身的におばあちゃんの介護を手伝ってくれた。

 

この事がなければきっと、私は父を一生許せなかったと思います。

 

ずっと離れて暮らしていた父と、一緒に生活するなんて思ってもいなかったし、最初はぎこちなかったけれど、おばあちゃんの介護を通じて本当の家族の形を築けたような気がする。

 

父からの謝罪

そして、おばあちゃんが亡くなった日。

 

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 父がこんなに声を上げて泣いたのを見たのは初めてでした。

 

 

この時の私は、もう思春期でもなんでもない大人で、父が嫌いだという感情は微塵もなかった。

 

それよりも、おばあちゃんを最後まで献身的に介護してくれて感謝の気持ちでいっぱいだった。

 

私にとって本当の毒親とは

 

 そんな父を「毒親」とは呼びたくない。

私にとって本当の「毒親」は母親の方だ。

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今後、なにがあっても母親と会うことはないだろう。

例え向こうが会いたいと言ってきても全力で拒否します。

 

母親に育てられなくて良かった、おばあちゃんに育ててもらえて幸せだったと心の底から思っています。

 

 

単行本「祖母の髪を切った日」発売中です。

 

よろしくお願いします。

最後に

今は父と離れて暮らしているが、もし今後、なんらかの介護が必要となった時は父を最後まで看取りたい。

 

そう思っている。

 

 

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補足

コメント欄で伯母さんは父の血縁者なので嘘を言っているのでは?という憶測があるので少し補足させてください。

 

確かに血縁者なのでバイアスはかかっているかもしれません、が、伯母さんは嘘をつくような人ではないと信じています。

 

ここには書けない(正確に言えば載せられない)証拠も存在するので嘘だとは思えません。

 

認知症サポーター講座で紹介していただくことになりました

 

Twitterで上げた「伯母が教えてくれたこと」の漫画を、認知症サポーター講座にて、中学生にご紹介したいというお問い合わせを頂きました。

 

まとめサイトが個人的に大嫌いなので、(理由はこちらをクリックまとめサイトやバイラルメディアへは全面的に許可をしていませんが、(それでも無断でまとめられるので、画像転載料を請求しようかと思います)商業利用ではない限り、こういったお話は嬉しいので無償でお受けいたしております。

 

祖母の介護漫画をいろいろ描いてきましたが、今までは認知症介護に携わる読者の方がほとんどで、それでも嬉しかったのですが、この漫画がきっかけで認知症について調べてみたという声もいただき、本当に嬉しいです。

 

今では小学校でも認知症についての授業があると聞き、驚いています。

 

しかし、中学生にあの漫画を紹介してもいいものなのか?という疑問が浮かんできました。

 

何故なら私の自画像がドクロだからです。

 

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最初は認知症の漫画を描くにあたり、自画像はドクロがいいな、人間は一皮むけば皆ドクロだ、男性とか女性とか意識せずに、好きなように受け止めてほしいな、介護に男性も女性も関係ないからな!という気持ちがあったのですが…

 

やはり、ドクロはダメだろうと判断し、昨日の夜中に手直しをしました。

 

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…あまり納得はいっていませんが、ドクロよりマシだと自分に言い聞かせて落ち着きを取り戻しています。

 

もし他にも授業で紹介したいという方がいらっしゃいましたら是非メールかDMにてご一報下さい、無償でドクロじゃないバージョンを送信いたします。

 

中学生の皆さんに、何か感じていただけたら嬉しいな。

 

 

単行本「祖母の髪を切った日」発売中です。

よろしくお願いします。

 

おしまい

漫画に描けないこと

 

 

お昼に更新ですが、このブログ記事には、弄便、排せつ等の文章が出てきます。

お食事時に読む事はおすすめできません。

 

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Twitterで描いた漫画「伯母が教えてくれたこと」へ沢山の反響、ありがとうございました。

 

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この漫画は祖母の認知症がまだ軽い時の出来事です。

介護には一人一人、家庭環境や介護の度合いが違うので、一概にこの方法が正しい!という事はないと思っています。

伯母が言ってくれたこの言葉が妙に自分の中で残っていたので、漫画にしました。

 

この後、全くイライラしなくなったか?と言えば全然そんな事はありません、ただ以前よりも祖母の事を考えて行動することが多くなりました。

伯母さんには沢山支えてもらいました、沢山いろいろな事を教えてもらいました、伯母さんがいなければ、私はもしかしたら祖母を虐待していたかもしれない…それほど追い詰められていた時期もありました。

 

この漫画を公開して、DMやリプライで認知症介護についての悩みやご質問を頂きますが、私はたった一人、祖母を介護しただけなので、この方法がいいよ!こうしたらいいよ!なんて言える立場ではありません。

祖母を亡くした今も時々ふと、なんであの時、あんな冷たい態度をとってしまったのだろう…なんであんなに叱ってしまったのだろう…と思い出し、自己嫌悪に陥ってしまうので、私もまだまだ悩み中です。

 

しかし最近、漫画の内容が明るくなったと言われたので、もしかしたら気が付かない内に、自分の中で何か気持ちが変化しているのかもしれません。

 

祖母を介護中、楽しかったこと、つらかったこと、沢山ありました。

 

介護中で一番なにがキツかったかと言えば「弄便」です。

 

弄便の事はどうしても漫画に描けないので、文字にしようと思います。

(お食事中の方はここでやめておいてください)

 

弄便(ろうべん)ってなに??という方に簡単に説明すると、読んで字のごとく「弄ぶ便」です。

私が26歳の頃、祖母の認知症が進み、弄便が始まりました。

 

最初はチョコレートかな?と思い、床に付着していたものを手に取ってみると便でした。

 

それからどんどん弄便は進み、排せつをしたおむつは隠され、壁に便を塗りまくられ、うんこまみれの日々でした。

 

人間というものは不思議なもので、最初は泣きながら掃除をし、ショックでご飯が食べられなくなってしまいましたが、半年くらい経つと、素手でも平気で掃除でき、壁に塗りまくられても「お、前衛芸術だな!今日の塗り方は100点!!」なんて思えるようになりました。

 ここまで思えるようになるには沢山の葛藤や「おむつに漏らすのはまだいい!なんで!なんで壁とか体にいちいち塗りつけるんだよ!!!」という怒りや悲しみがあり、弄便がひどい認知症の母を刺し殺したという、どこかで昔見たニュースをなんとなく頭に思い浮かべて「ああ、その気持ち、よく分かるよ…」と、良からぬ事を考えた事もありました。

 

「弄便は、やってはいけない所で排せつをしてしまった、どうにかして隠したい!」という気持ちからだから決して怒ってはいけない、と伯母から教わっていたにも関わらず、最初は怒ってしまい、泣きながら掃除をしていました。

 

私が泣くと祖母も必ず泣くのです。

 

「ごめんねぇ…ごめんねぇ…悪いことしたねぇ…ごめんねぇ…」

 

と、泣きながら掃除をしている私の横で、祖母も必ず泣くのです。

 

この頃はもう、私の事を忘れて、誰だか分からなくなってしまっていたのに

 

「ごめんねぇ…あなたが泣くと私もとっても悲しいよぉ…ごめんねぇ…」

 

と言って、私の横で、わんわんと子どもみたいに泣くのです。

 

その時の事を思い出すと、今でも胸が締め付けられ、なんであんなに怒ってしまったんだろう…と、後悔してもしきれない思いでいっぱいです。

 

弄便なんて、すぐに慣れるのに、祖母は私のおむつを文句一つ言わずに、むしろあの頃が一番可愛かったと言ってお世話してくれた人なのに。

 

祖母は昔、私が生意気な中学生だった頃、よく、こう言っていました。

 

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思春期だったので、この話をされると恥ずかしくてたまりませんでしたが、今思い返すと、あれは愛だったのだな、私は本当に大切に育ててもらったんだな、年老いた女性1人で育てるなんて、沢山不安があっただろうに、どれだけ大変だっただろうか。

 

大切な祖母を泣かせてしまった事、一生後悔し続けると思います。

 

一生後悔し続ければいいと思います。

 

これは自分への戒めです。

 

 

 

単行本「祖母の髪を切った日」発売中です。

よろしくお願いします。